2008年03月27日39枚目「肉」
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海外などでの事情は知らないが、少なくとも日本においては、落書きはクリエイティブの源である。幼稚園とか小学生くらいのころから、先生に言われなくても、教科書の顔写真などを見つけると落書きをするものである。その落書きバリエーションも豊富で、もしそれについて誰かが研究をしたとすれば、それは貴重な文献になるに違いない。日本は文化大国になりつつあるわけだが、やはりその原点にはしぶとく生き延びてきた落書き文化がある。「家庭教師のトライ」のCMでもそれは強調されていることだし、いまこうして目の前に、落書きをされた選挙ポスターなどを見てしまうと、ますますその思いは強くなる一方である。 このポスターは明大前駅付近にあるカラオケボックスの入り口にあったものだが、まさか子供がこのような落書きをしたわけではあるまい。 おそらく、土曜日の夜、カラオケに行こうとしたが「満員です、15分お待ちいただければご案内できます」といわれ、その微妙な時間を持て余しながら描かれたものだろう。つまり日本を支える、立派な成人による作品なわけだ。そしてそれが、ましてや日本の中枢を担う政権与党の看板に描かれているとは、そこに何か深い意味を勘ぐりたくなるのは、僕だけではあるまい。落書きのスタンダードパーツである鼻毛、おでこの血管。そして、忘れてはならない、おでこの「肉」マーク。55年体制のなかで継続的に行なわれた文化教育の成果が、いままさに政治家自身のポスターに表れるという奇跡。 おちたかおさんは可哀想だが、しかしこの落書きに、芯の太い日本の落書き遺伝子の伝承を見た。
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