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2005年08月30日

第2回 船で行くと決めたこと。

RSRに行くことが決まった。北海道に行くことが決まった。

北海道に行くと決めた瞬間に、なんとなく僕は船で行くような気がしていた。飛行機ではない。飛行機はまずもって高い。しかも最近は飛行機のトラブルが多く報じられて、なにか怖い。それから、北海道に行ったという実感に乏しい。僕は目的地までの距離を実感としてつかむことを重視したかった。

青春18きっぷという魅力的な言葉も転がっていたが、鉄道旅行は思ったよりハードな気がする。旅行運賃そのものは安いのだろうが、宿泊費が高くつきそうだ。

船ならゆっくりいけるし、船中泊にお金もかからない。だいたい今時北海道に船で行く人なんて少ない気がする。RSRに行くのに船で行くなんて、合理的に考えて馬鹿げている。その馬鹿げているのが旅行を楽しくしそうだ。旅行なんて馬鹿げていたほうが良いに決まっている。船酔いも、八丈島の経験上たぶん大丈夫だ。

そして正直に言うと、僕はなにも考えずにひとりで海でも見たい気分だった。卒業してから、自分が何をしたいのかますます分からない。混乱しながら立ち止まりたいと思っても、時間は進む。ますます混乱する。なにもしていないのにひどく疲れる。空白がほしい。すでに僕の生き方など空白のようなものなのだが、明らかにそれと分かる空白がほしかった。

しかし一人は寂しい。僕は友達に電話した。

「ねえ、一緒に船で北海道行かない?」

「・・・。」

誰もが口ごもった。誰も北海道に船で行こうとは思わなかったらしい。

 

調べると、東京から北海道に直通の船は出ていないことが分かった。昔はあったのだそうだが、無くなってしまった。父親に聞くと、房総半島をぐるりと回るのがかなりのロスだからだろう、と言っていた。

一番東京から近い、北海道行きの船は、茨城県の大洗というところから出ていた。水戸の近くだから、東京からもそこそこの距離である。大洗発、苫小牧行き。一日かけて行くらしい。値段は、繁盛期は9000円くらい。往復割引で1割引なので、行って帰って、16000円程度。大洗までは直通バスが出ているが、たいした値段ではなかった。

これは良いと思ってさっそく予約しようとするが、なんと行きも帰りも満席。困った。意外に船を利用する人は多いのだ。船旅行プランもさっそく頓挫かと思った。

しかし、調べてみると新潟〜小樽という船があることに気づいた。しかも片道6000円。往復割引で、行って帰って12000円弱。この船は行きは空いているし、帰りの便もRSRの次の日ならば空いていた。北海道のホテルで一泊というのも良いかなと思い、後先考えず予約してみる。

次に、新潟までどうやって行くかを調べた。

これは夜行列車か、夜行バスかというふたつの選択肢があったが、結局安い夜行バスをとった。往復割引で7500円くらいだった。結局、総合して考えると、大洗から行くのと値段は大して変わらない。つまり往復だいたい2万円くらいである。 

予定はこんな感じになりそうだ。

 

8月18日 夜行バスで新潟へ

8月19日 朝、新潟から船に乗る

8月20日 朝、小樽到着。RSR会場へ。

8月21日 朝までRSR。北海道で一泊

8月22日 朝、小樽から船に乗る

8月23日 朝、新潟に着く。夜、夜行バスに乗る。

8月24日 朝、東京に着く。

 

あれ?RSRは20日しか行かないのに、1週間の旅になってしまった。飛行機で行った人は2日くらいで帰ってくるのに、船で行って夜行バスにまで乗ると、こんなにかかる。

21日、徹夜明けの僕は、ホテルのチェックインまで何をするのだろうか。

そしてポイントは23日である。新潟には早朝到着するのに、バスが出るのはその日の夜である。そのあいだ、何するのか。

21日と23日は苦しい一日になりそうだな、とその時すでに予測できたが、まあ考えないことにした。

 

ちなみにホテルは、ユースホステルがいっぱいだったので、小樽で安めのホテルを探したところ、小樽グランドホテルクラシックという異常に古めかしい、しかし趣のあるホテルに泊まることになった。どうやら文化財級の歴史ある建物らしい。こちらも楽しみである。しかしシングルということと、時期的な問題もあって7000円くらい。もっと熱心に探せば安いところもあっただろうが、時間が無かったのでまあしょうがない。ま、結局、もっと安く泊まれることになったのだが、その話はもっと先の回で。

船で飲むビール代などすべてまとめて、今回の旅行は4万で済ませよう、いや済ませることができる、僕はそう計算した。このスケジュールで4万は安い、と僕は思う。ハードだけど。

…とにかくこうして、僕の北海道旅行は始まろうとしていた。

書いている人 大里 圭介(ごろり)
Oosato Keisuke

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