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2005年09月01日

第5回 ローカルエリア・ネットワーク

8月19日、朝10時ごろ。

わ〜い、お船さんだ〜ということで、さっそく乗船時間。

乗り込むとさっそく、早いもの勝ちだという二等船室へと走る。すると、相当数の部屋があって、僕が入った奥のほうの部屋には誰も人が来ていなかった。そこで、さっそく一番端の場所をゲット。やはり二等船室は壁際がよいと僕は思う。しばらくして、隣に子供連れの家族が来た。子どもがきゃぴきゃぴうるさい。場所を移動しようかと思ったが、どの部屋も端は埋まっている。子どもが女の子だったので許すことにする。

窓は小さいですが、そこからの眺めがまたなかなかよいのです。まあ、海しか見えないんですが。

廊下もきっちり整備されていて綺麗。ホテルの廊下のようだ。

そしてトイレも綺麗。トイレが綺麗なのは、便器フェチとしては非常に重要である。

エントランスには謎のオブジェまである。やはり船に一生懸命ホテルの要素を取り入れようと言う工夫が見られる。

このほかにも様々な施設が船にある。これはびっくりだ。6000円でこんな豪華なお船に乗れるなんて幸せだ。すばらしい新日本海フェリー。

ヘリポートのある5階が、天井も無く、見晴らしが非常によい。さっそくここでビールを飲むことにする。

しかし急激に眠気が襲ってきたので、お風呂に入って寝た。大浴場はサウナまで付いていて、海を見ながらお湯に浸かれるなんて幸せだなぁと思った。

それから部屋に戻って熟睡。昼過ぎに寝て、起きたらもう夕方だった。

「ビデオシアターにて、篠原監督の『天国の本屋』という映画を上映します」というようなアナウンスが響き渡る。さすがにひとりきりで、海を見ながらビールばかり飲んでいるわけにはいかないので、ものの試しに見に行くことにする。

ビデオシアターは予想以上に大きくて、スクリーンもけっこう迫力があった。しかしフィルム上映ではないのだ。ビデオソフトを流す。観客はめいっぱいいて、100人以上はいたと思う。さっそく上映開始、冒頭に「本作品の私的な鑑賞以外での上映は固く禁止いたします」とテロップが流れる。言っているそばから違反じゃないですか、と思いつつ、退屈な船の上でそれを咎めようとする人は誰もいなかった。

そして「天国の本屋」はがっくりするほどつまらなかった。上映途中でシアターを出てしまう。

屋上のビアガーデンは多くの人が鉄板でジンギスカンパーティをしている。僕も輪に加わりたかったが、ひとりで鉄板の上にジンギスカンを広げて「うん、よい焼き具合だ」などと独り言をいうのもどうなのかなと思い、遠目から眺めることにする。しかし、おいしそうである。そういえば今日はほとんどなにも食べていないが、まったくおなかがすかない。

デッキをぶらぶらしていると、若い女の人が僕のぶらさげているカメラを見て「何を撮っているんですか?」と声をかけてきた。いや、ダメ工房というサイトの…と軽くあらましを説明する。Tさんというその女性とは、いろいろ話がはずんで、「いや実は、RSRに行くんです」と言うと、「えっ、わたしも彼氏とRSRに行くところなの」と偶然の一致。SOIL&“PIMP”SESSIONSを見にいくらしい。Tさんは南アメリカのほうでスノーボードをしているらしい。

どこから来たんですか?という話をすると、一言、「二子玉川…」とのお返事。近っ。

ということで、RSR&地元トークが弾み、Tさんと喫煙室でビールを飲みながらお話をすることにする。彼氏は明日の運転に備えて寝たらしい。

そして、登戸のトタン屋ってところで最近シャッターの絵を描いていました… という話をしていると、僕らの隣に座っていた浴衣姿の兄ちゃんがにやにや笑っている。そしてその兄ちゃんは話しかけてきた。

「トタン屋って…登戸ですか?その辺の方なんですか?俺、CLOUD9で働いているんです」

CLOUD9ってあれじゃないですか、登戸と遊園にあるスタジオじゃないですか。彼は祖師谷大蔵に住んでいるらしい。そして、北海道でライブをするために、バンドメンバーと船に乗っているということだった。

こうして、溝の口〜二子玉川〜祖師谷大蔵のネットワークがつながった。僕らはこれを「チーム新日本海フェリー」と名づけた。そして、「記念に」と、なぜか祖師谷大蔵にあるラーメン屋の替え玉券をもらった。

その兄ちゃんのバンドメンバーも来て、夜な夜な飲み会が始まった。といっても地元トークばかり。北海道行きの船に乗って、ここの喫煙室だけはローカルエリアネットワークだ。船にはいろいろな人が乗っているけれど、「船に乗ろうと思う層」っていうのは、以外に近い人ばかりなのかもしれないな、と思った。

続いて、もりあがってくる僕らにひそひそと近づいてくる、ラジカセを持ったおじさんが現れる。完全に出来上がっている顔をしている。おもしろがって、「ラジカセで何聞いてるんですか?」と聞いてみると、ぐにゃぐにゃなカツゼツで

「フィッシュマンズ…」

と仰せられた。このおじさんは名古屋からRSRに行くためにこの船に乗っているらしい。ずっとうわごとのように、「フィッシュマンズは良いです、フィッシュマンズは良いです、」とつぶやいていた。隣には、それを心配そうに見つめるおじさんの奥様がいた。奥様はフィッシュマンズには興味なしのようで、いやいや連れてこられたような顔をしていた。

そうこうしているうちに深夜2時をまわっている。明日(というか今日)はRSRである。徹夜である。ここで眠らなければ何時眠るのだ、と気づき、自分の船室に戻った。

 

書いている人 大里 圭介(ごろり)
Oosato Keisuke

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