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2005年12月11日

第12回 さよなら、小樽。

8月21日、16時ごろ。

というわけで、僕は小樽のアーケード街をぶらついた。アーケード街は思ったより長く、そしていろいろなお店がある。札幌や小樽の駅で配っていた親切なガイドマップを片手に、くまなく歩き回った。

小樽にはなかなか素敵なカフェが多いようで、どれも入ってみたかったのだが、最も強烈だったのがこの「純喫茶 光」である。

外見からだと分からないかもしれないが、なんと創業100年近い、日本で最も古い(という噂の)喫茶店だそうで、中は何と言っていいのかも分からないくらいレトロな感じだった。しかもレトロ"調"なのではなく、正真正銘のリアルな「レトロ」なのである。視界に入ってくるのは、深〜い茶色のみである。

あいにく店内の写真撮影は断られてしまったため、店内風景は言葉で表現するしかないのだが、充満するにおいは、図書館のものすごく古い蔵書の埃のにおい。床は板張りだが、店員さんの話によると、「湿気で盛り上がってしまい」、僕の座った席の下は土管が埋め込まれているかのように膨らんでいた。

壁に飾られている様々なものもレトロすぎて、軽く民俗資料館である。コーヒーもなんだかやけに美味しいし。

けっきょく、ただコーヒー飲んでタバコ吸うだけなのに30分強くらい居座ってしまった。

お店を出て、通称「すし屋通り」と呼ばれる、寿司屋ばかりの道を歩いてみた。

小樽は港町だからか、食事店が多い。ぱっと歩いた感触だけで言うと、札幌よりも濃密な印象がある。しかもどれも、おいしそう。

そんなお店群のなかでも僕の興味をもっとも引いたのが「ポセイ丼」。

なんだ「ポセイ丼」って。なに丼なんだろ?お店まで行ってみると、いかにも田舎にいそうなヤンキー軍団がものすごく必死にどんぶりの中のものを食べていたので、なんとなく入りづらいのでやめてしまった。まあどうせ、お金無かったから無理だったんだけど。

しかしこの通り、歩くたびに沿道の人たちが、カニを必死に売ってくる。こんなに必死にカニを売られたのは初めてだ。しかし、売り込むだけあってカニはおいしそう。

そうこうしているうちに、須田さん夫妻&娘様のモネちゃんと合流。アーケードを歩いていると、すごく微妙なポジション取りでパントマイムをやっているおっさんがフリーズしていた。

せっかくだからと写真を撮ろうとしたら、フリーズしてたのに突然フリーズを解いて「ダメダメ」と言ってきた。フリーズ解いたらダメだろ。桜木町にいるパントマイムは写真撮られてるけどなあ。

つぎに、ぜんまい仕掛けのロボットみたいな動きをして、ベビーカーに乗ったモネちゃんを喜ばせようとするが、なんとそれが裏目に出て大泣き。明らかにあせっているパントマイムのおっさん。とにかくおっさんの芸が嫌だったようだったので、おっさんにバイバイした。

あのおっさんのパントマイムは実に微妙だった。

須田さんにはおすし屋さんに連れて行ってもらった…。松屋や吉野家などでバラエティに富んだ食事をとる僕の胃には、握り寿司なんて高級すぎます〜 しかしがっつきました。いただきました。ごちそうさまです。めちゃくちゃおいしかったです。

すし屋で一番好きなメニューは「あら汁」「カニ汁」です。秋田に行ったら真っ先に「ざっぱ汁」を食べます。おいしい。。。

コメディの話などをしながら、ものすごく大雨だったので、タクシーでホテルまで送っていただきました。

異常に疲れていたのか、その夜はカクンと寝ました。いつ寝たか覚えてないです。

 

8月22日 朝7時くらい。

 

翌朝、サービスでつけてもらった朝食はバイキング形式だったので貧乏根性で徹底的に腹に詰め込んで、チェックアウトした。

チェックアウト時、受付の方にはさんざん「小樽港まではタクシーを。タクシー券差し上げますから」とオウムのように言われたのだが、僕は「歩いていきます」と言い張った。

すると、受付の女性は、僕のことをものすごく哀れんだ目で見た。

「遠いですよ。40分〜1時間くらいかかりますよ」

「1時間で着くなら歩きます。街も見たいし。」

受付の女性は、ものすごく心配な顔で僕を見ていた。そんなに遠いのかなぁ。そう思いながらホテルを後にした。

 

小樽の街は本当にレンガ調の建物ばかりである。港までの道にもそのような建物がいっぱいあって、実に眺めが良かった。びっくりドンキーまでこうである。

そういえば、あるのかもしれないが、小樽にはマクドナルド、白木屋など景観を壊すことで有名なお店が見当たらない。もしそのようなお店があっても、このびっくりドンキーのように景観にマッチさせているのだろう。こういう試みは那須でも見られたが、観光地という観点では素晴らしいことだと思う。

海沿いを歩いていると、外国船がたくさん停まっている。写真の船はプノンペンと書いてあったので、そこから来たようだ。しかし、プノンペンってどこだ(←馬鹿)

しばらく歩くと、ようやく見えてきた。「新日本海フェリー」。相変わらずでかいなぁ。

突然うしろから「オハヨウゴザイマス」と声を掛けられた。チャリに乗った外国人であった。

そうしててくてくと歩いて、フェリーターミナルに到着!かかった時間は、40分くらいかな。あんまり長いとは感じなかった。眺めもいいし、道も単純だし。

しかし思うのだが、フェリーターミナルというのは得てしてヒドイとしか言いようの無い建物である。東京湾フェリーターミナルなんか人気が無さ過ぎて怖いし。

そういう意味で小樽のフェリーターミナルはすばらしい。椅子もいっぱいあるし、お店も充実している。大浴場もあるらしいじゃないですか。実に快適。

わりと出航時間の間近についたので、案外早く船に乗り込むことが出来た。早いもの勝ちという2等船室も、いちばん隅っこという、すばらしい場所を確保できた。

しかし、まわりの客は「RSR」と書かれた袋を持った若者ばかりである。近くには、どうやらRSRで知り合ったらしい男女が、音楽談義に花を咲かせている。

「やっぱさぁ、くるりはさぁ…」

得意げに話す男。来た。また、くるりのエセ評論家か。

そのとき、船内アナウンスが響き渡る。

「本日は船内特別警戒のため、海上保安官が船内警備をいたします!」

おいおい、どんな騒ぎだ?テロ計画か?

 

船は出港した。RSRは良かったし、小樽はいい街だったなぁ。小樽がこんなにいい街だとは思わなかった。また来たいな。

出航シーンはいつも少し、切ない。

 

そんな切なさを大いに打ち消してくれたのは、朝鮮の肉体系の学生軍団だった。

わけのわからないハングル語を、港に向かって大声で叫んでいる。しかもエンドレス。はっきり言って狂っているようにしか見えなかった。ブラックコメディだ。金日成のプチ・パレードだ。しかもちょっと、迷惑だし。

鳥がいつまでも、船を追いかけてきます。これから20時間ほどかけて、新潟に向かうわけです。

 

書いている人 大里 圭介(ごろり)
Oosato Keisuke

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